- 2016年07月11日
第28回孔子学院講演会(講師:許福吉氏)を開催しました
平成28年7月10日に通算で28回目となる孔子学院講演会を開催しました。今回はシンガポール河洛教育機関最高責任者でシンガポール南洋理工大学終身教授の許福吉氏ををお迎えして、「李光耀(リー・クワンユー)の挑戦―華語学習と儒学教育の推進」と題してご講演をいただきました。
許氏は、ご講演中で次のように述べました。
30年以上にわたり首相としてシンガポールを率いたリークワンユー氏は、第一言語は英語であったが、中年になってから中国語を学び始めた。許福吉氏はリー氏が78歳の時から中国語を教えた。
それは将来を見据えた判断によるものだった。シンガポール、香港、台湾、韓国がアジア四つの小龍と言われた時代に、リー氏は将来的にアジアの大きな龍は中国であると見做していた。アジアにおいて経済規模No.1の中国を相手にするには、中国語を学び中国文化を知らなければならないとの考えにより、シンガポールの国語教育に英語と中国語を併存させる方針を取った。
リー氏は中国文化に精通していく中でシンガポール社会に、西側の法治思想に東洋の儒教の仁、義、礼、智、信に関する思想を加える有効性を主張していた。その影響で現在のシンガポールの学校教育には儒学を学ぶ科目がある。