- 2018年06月06日
2018年度「連続講座―現代中国の経済と社会を知る」第二回目(講師:平井貴幸)を開催しました
当連続講座は、中国の経済、社会、文化などに関わる諸問題について、毎回さまざまな視点から解説し、中国に関する理解を深めようとするものです。
今年度第二回目は6月1日(金)に、札幌大学女子短期大学部の平井貴幸助教が講師となり、「訪日中国人観光客の動向を探る」と題して開催しました。
講演要旨は次の通り
近年,日本ではインバウンド観光に関する議論が活発化している。その背景の一つとして,外国人観光客誘致による経済振興が地域経済に様々な効果を与えると認識されてきたことが挙げられる。
1990年代までの日本のインバウンド観光(諸外国からの旅行者を受け入れる観光)は,アウトバウンド観光(日本人が諸外国へ渡航する観光)の規模に比して非常に小さなものであった。しかし,2000年頃からインバウンド観光促進のための様々な国の政策が展開された効果もあり、その後10年間で倍増し,2013年に1,000万人,2016年に2,000万人を突破した。2020年の東京オリンピックに向けて,政府目標の4,000万人を超える勢いである。また、国・地域別でみると、中国、台湾、香港等アジアからの人数が全体の80%である。これらインバウンド観光の日本経済への波及効果は2015年で52兆円と推計されている。北海道におけるインバウンド観光でも同様な傾向にあり2016年から急増している。
以上のようなデータを正確に整理したうえで、今後北海道においても、地域経済振興の効果が期待できるので、多様な関心と需要に目を向けた対応の工夫が求められている。